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ベンチに寝転んで、色付きかけた銀杏の葉むらを見上げた。ふと、二十六という年齢に老いを感じた。もうこんな生活をしていてはいけないと、私は不良少年のように考えた。
浅田次郎 / 伽羅「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 ページ位置:62% 作品を確認(amazon)
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......みたいに、兄弟になるってか。俺はかまわないぜ」 私は物も言わずに席を立った。 車を乱暴に飛ばした。会社に戻る前にしばらくの間、外苑の銀杏並木で酔いを醒ました。 ベンチに寝転んで、色付きかけた銀杏の葉むらを見上げた。ふと、二十六という年齢に老いを感じた。もうこんな生活をしていてはいけないと、私は不良少年のように考えた。 絵画館のドームの上に、赤い満月が出ていた。4「伽羅」には、週に一度か二度の割合で顔を出しただろうか。 必ず八時の閉店まぎわに行った。理由は小谷と鉢合せをしたく......
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