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カーテンの引いてない一つの窓から、凍ったような外気越しに、若い女の頭や、白い上衣の肩がちらちら見えた。どの窓の中も平和で暖かくて、人に知られぬ幸福が舞い降りているように見えた。
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:19% 作品を確認(青空文庫)
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屋内から外に洩れる明かり
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前後の文章を含んだ引用
......へ立った。 とっぷり暮れた寒い夜を透して、同じ寄宿舎の、鍵のてに突き出した翼が見えた。灯のともった切抜万燈のように、沢山の窓があり、その内部は燈火で煌 いている。カーテンの引いてない一つの窓から、凍ったような外気越しに、若い女の頭や、白い上衣の肩がちらちら見えた。どの窓の中も平和で暖かくて、人に知られぬ幸福が舞い降りているように見えた。伸子は突然、何でもよい、楽器でも、力一杯掻き鳴らし、自分を溺らすこの寂しさを破りたい衝動を感じた。彼女は寝台のはしに腰かけ、靴の爪先で拍子をとりながら、鼻唄を歌......
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木の 鎧戸 がついた小さな窓には親密な黄色い明かりがともり
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
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