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(回想シーンへ)両目を閉じた。目を閉じると、そこには奥行きのある、薄暗いスペースがあった。とても深い奥行きだ。地球の中心まで延びているみたいに見える。その空間には薄暮を思わせる暗示的な光が差し込んでいた。長い長い一日の末に訪れた、心優しく懐かしい薄暮だ。細かい切片のようなものが数多く、その光の中に浮かんでいるのが見えた。ほこりかもしれない。花粉かもしれない。あるいはほかの何かかもしれない。それからやがて、その奥行きが徐々に縮んでいった。光が明るくなり、まわりにあるものがだんだん見えるようになってきた。 気がつくと彼は十歳で、小学校の教室にいた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 作品を確認(amazon)
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単語の意味
薄暮(はくぼ)
薄暮・・・夕暮れ。日が暮れること。
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いったいどこから浮かんで来た空想かさっぱり見当のつかない
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画を描いている時は、自分の周りの時間だけが進んでいて、描き終わったその瞬間に過ぎ去っていた分の時間をぐんと飛び越える気がする。
朝井 リョウ / 僕は魔法が使えない「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
長い小説を書きたいと想う事があっても、それは只、思うだけだ。思うだけの一瞬がさあっと何処かへ逃げてゆく。
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