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赤ん坊の寝息のようにしのびやかな気配で、本箱の一番目立たない場所に紛れ込んでいたその本
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 ページ位置：72% 作品を確認（amazon）
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前後の文章を含んだ引用
......うな気がした。なのにわたしはうんざりすることもなく、不思議なくらいひたむきだった。 そのひたむきな作業は、スライド式の本箱の奥で、一冊の本を見つけるまで続いた。赤ん坊の寝息のようにしのびやかな気配で、本箱の一番目立たない場所に紛れ込んでいたその本を見つけた時、わたしは手を止め、少し顔を傾けながら背表紙を覗き込んだ。そこには、分類番号と中学の名前の入ったシールが貼ってあった。 炭酸の弾ける音や王冠がテーブ......
単語の意味
寝息（ねいき）
赤ん坊（あかんぼう）
寝息・・・眠っているときの息（＝呼吸）。また、その音。
赤ん坊・・・赤ん坊】生まれて間もない子供。また、おなかの中の子供。身体が赤みがかっているからいう。赤子（あかご）。赤ちゃん。
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