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川を見つめた。白く浮いている岸辺の雪から短い枯れ木が突き出て、流れの部分だけが長々と黒ずんでいた。
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 ページ位置:9% 作品を確認(amazon)
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雪景色・銀世界
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......「ことしの冬は長いちゃァ。あしたから四月やいうとるがに」 玄関の鍵を外しながら千代は言った。 早起きの人の影が遠くで動き始めている。竜夫は家の前に佇んで、いたち川を見つめた。白く浮いている岸辺の雪から短い枯れ木が突き出て、流れの部分だけが長々と黒ずんでいた。 立山に源を発する清流も広大な田園を縫って枯渇し、街々の隅を辿って濁りきると、いつしかいたち川などと幾分の蔑みをもって呼ばれる川に変わってしまっていた。そしてそ......
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雪景色・銀世界の表現・描写・類語(雪・霜・あられのカテゴリ)の一覧 ランダム5
空気はきりっとして澄み渡り、街角のいたるところに蟻塚のようにつみあげられ、排気ガスで灰色に染まった雪も、夜の街の光の下では清潔で、幻想的にさえ見えた。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
からりとした上天気。眼もくらむような光った雪景色。
林芙美子 / 新版 放浪記
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「雪・霜・あられ」カテゴリからランダム5
おそろしく静かな雪だった。固くもなく、べっとりとした湿り気もない。それはゆっくりと空から舞い下り、積る前に溶けた。そっと目を閉じるようなひそやかな雪だった。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
(富山の街)一年を終えると、あたかも冬こそすべてであったように思われる。土が残雪であり、水が残雪であり、草が残雪であり、さらには光までが残雪の余韻だった。春があっても、夏があっても、そこには絶えず冬の胞子がひそんでいて、この裏日本特有の香気を年中重く 澱ませていた。
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
(雪の様子)「白い薔薇の花弁が何枚も何枚も落ちてくる感じよ。」 「ポプラの種が下から舞い上がってくるみたい。」 「今日は小麦粉みたいな粉雪よ。この中を歩いたら、むせてしまいそう。」
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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