青 鈍色の単調な波が相変らず浜を 嚙 んでいた。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 ページ位置:64% 作品を確認(amazon)
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波
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前後の文章を含んだ引用
......に役人たちが薦をまきはじめた。信徒は首だけ蓑から出た蓑虫のような姿になっていく。「間もなく小舟に乗せられてな。沖に舟を漕ぎ出す。この入江は見かけよりも深いて」 青鈍色の単調な波が相変らず浜を嚙んでいた。雲は太陽を覆いかくして鉛色に低くたれこめていた。「ほれ、今、役人衆の一人がパードレ・ガルペに話しかけておる」通辞は歌うような調子で言った。「何を話しておるか。お......
単語の意味
鈍色(にびいろ・にぶいろ)
鈍色・・・染め色の名前。昔、喪服に使った濃い灰色。薄墨色。
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波の表現・描写・類語(水面・水中・水辺のカテゴリ)の一覧 ランダム5
沖では激怒した潮が波がしらに白いウサギを飛ばしながら走っている
開高 健 / 地球はグラスのふちを回る amazon
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潮風に荒(すさ)びた皮膚が、黒ずんだ皺に塩さながらの粉をふいている
加賀 乙彦 / 海霧 amazon
水面の色から不気味なばかりの水の深さが感じられた。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
渓流は岩にはじかれるようにあちこちに向きをかえ、ところどころに氷のように冷ややかなよどみを作っていた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
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