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(これまで体験した人の死より同級生の)死は、もっとくっきりとした輪郭を持っていた。それを両手の上に載せて、重さを感じたり形を眺めたり香りをかいだりできそうだった。両手を離してそれが転げ落ちる時の、こつん、という音さえ聞こえそうな気がした。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 ページ位置:11% 作品を確認(amazon)
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明らか・明瞭・はっきりしている
訃報・知人を亡くす
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前後の文章を含んだ引用
......わっていた。 しかし、その冷たい夜わたしが考えた死は、熱帯魚に土を振りかけたり、アルコールの瓶を持ってたたずんだりした時に感じた死とは、全然違っていた。その夜の死は、もっとくっきりとした輪郭を持っていた。それを両手の上に載せて、重さを感じたり形を眺めたり香りをかいだりできそうだった。両手を離してそれが転げ落ちる時の、こつん、という音さえ聞こえそうな気がした。 その夜死んだのは、中学の時の同級生だった。 彼とは、特別親しい間柄ではなかった。ただのクラスメイトだった。それに卒業してから十年以上、一度も会っていなかった。......
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鏡にかけて見るように明白にされた
夢野久作 / ドグラ・マグラ
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木山省吾の死を知ったときには、すべてを失ったように慟哭した
野間 宏 / 暗い絵「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
(訃報の)葉書を読み返し、念のために表も確認して、またしばらく文中の「他界」という文字を見つめていた。その言葉には、自分が知っている以外の、何か他の意味があっただろうかという風に。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
わたしたちは、彼の死が心の中にもたらした透明な静けさを、それぞれ大切に抱えたまま別れた。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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破格な大きさの見出しは、目を圧するほどの迫力があった。
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
威圧するような荘重な静けさ
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
「生と死」カテゴリからランダム5
「あの男は土に埋めた」
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
(蜂の死骸)蜂が玄関の屋根で死んでいるのを見つけた。足を腹の下にぴったりとつけ、触角はだらしなく顔へたれ下がっていた。
志賀 直哉 / 城の崎にて「城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)」に収録 amazon
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