そこにはどうしても全心で抱き合えない 空隙 が残された。《…略…》二人の間に感ぜられる空隙がどうにも気になる
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:76% 作品を確認(amazon)
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心の距離がある
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......の関係も謙作の予想通りによかった。それから謙作と直子との関係も悪くはなかった。然しこれはどういっていいか、──夫婦として一面病的に惹き合うものが出来たと同時に、そこにはどうしても全心で抱き合えない空隙が残された。そして病的に惹き合う事が強ければ強い程、あとは悪かった。 妻の過失がそのまま肉情の刺戟になるという事はこの上ない恥ずべき事だ、彼はそう思いながら、二人の間に感ぜられる空隙がどうにも気になるところから、そんな事ででも尚、直子に対する元通りなる愛情を呼び起したかったのである。病的な程度の強い時には彼は直子自身の口で過失した場合を精しく描写させようとさ......
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そこにはどうしても全心で抱き合えない 空隙 が残された。《…略…》二人の間に感ぜられる空隙がどうにも気になる
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
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美しい朦朧の意識が紅靄 のように彼を包んだ。
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