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自分の中に何かが芽生えるのを感じた。  たとえて言えば、気持ちのいい春の 宵、あまりよく知らないけれど好意を持っている女性と待ち合わせをしていて、どこに食事に行こうか、飲みに行こうかと考えながら電車に乗っているときのような浮かれた感じ、今晩やれるかやれないかとかまったく考えなくても、そのひとの整った立ち居ふるまい、私のために装われたスカーフの 柄 とかコートのすそとか笑顔とかをみていると、まるで遠くの美しい風景を見ているように、自分の心までもがきれいになったような気分になれる感じ、ずっと失われていたそういううきうきするものがそのとき、 香るようにふっとよみがえったのだ。
吉本 ばなな / とかげ「とかげ (新潮文庫)」に収録 ページ位置:17% 作品を確認(amazon)
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恋愛・恋する・恋心
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前後の文章を含んだ引用
......。その頃私は、人妻との長い大変な恋愛が終わったばかりで、しかもふられたのでかなり疲れ果てていてとても色恋に向けるエネルギーなんてなかったのだが、そう思ったことで自分の中に何かが芽生えるのを感じた。 たとえて言えば、気持ちのいい春の宵、あまりよく知らないけれど好意を持っている女性と待ち合わせをしていて、どこに食事に行こうか、飲みに行こうかと考えながら電車に乗っているときのような浮かれた感じ、今晩やれるかやれないかとかまったく考えなくても、そのひとの整った立ち居ふるまい、私のために装われたスカーフの柄とかコートのすそとか笑顔とかをみていると、まるで遠くの美しい風景を見ているように、自分の心までもがきれいになったような気分になれる感じ、ずっと失われていたそういううきうきするものがそのとき、香るようにふっとよみがえったのだ。 さあ、帰ろうかなと立ち去りかけたとき、痛たた……という叫びが聞こえた。振り向くとスタジオの中でひとりのおばさんが足を押さえていた。足をつったな、と思う間もなく......
単語の意味
宵(よい)
風景(ふうけい)
笑顔(えがお)
偽装・擬装(ぎそう)
・・・日が沈んでまだ間もないころ。夜が始まったばかりのころ。
風景・・・自然の景色。目の前に広がる眺め。その場の情景。
笑顔・・・笑っている顔。笑みを含んだ顔。にこにこ顔。
偽装・擬装・・・1.偽(いつ)り装(よそ)うこと。ある事実をおおい隠すための、装いや行動。他人の目をごまかすため、他の物事や状況を装うこと。
2.周囲の風景や他の物とよく似た色や形にして、姿を見分けにくくすること。カムフラージュ。
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