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この情死事件は、汚職事件に関連してちょっと新聞を騒がしただけで、彼の頭上をすうっと通過した。あまりになめらかな通過であった。情死という平凡さに、すぐ答が出たのか、途中の運算がない。答が出る前の手数が、どこかにはぶかれているような空隙を感じるのだ──。
※備考※ 自殺でなく他殺でないかという疑問
松本 清張「点と線 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:19% 作品を確認(amazon)
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不審・疑う・信用できない
疑問・不思議に思う
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......までも気分がはれないように思えた。「よし、これは誰にも言わずに、一人で調べてみよう」 と、彼はつぶやいた。そう決心すると、今まで気重かった心が妙に軽くなった。 この情死事件は、汚職事件に関連してちょっと新聞を騒がしただけで、彼の頭上をすうっと通過した。あまりになめらかな通過であった。情死という平凡さに、すぐ答が出たのか、途中の運算がない。答が出る前の手数が、どこかにはぶかれているような空隙を感じるのだ──。 重太郎は、心中死体のあった香椎海岸の現場に、もう一度行ってみようと思い立った。 彼は市内電車を箱崎で降り、和白行の西鉄電車に乗りかえた。香椎に行くには、汽車の......
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不審・疑う・信用できないの表現・描写・類語(恐怖・不安のカテゴリ)の一覧 ランダム5
泥沼の水面にのぼってくる穢(きた)ない泡のように、胸にこみあげるその疑惑
遠藤 周作 / 影法師 amazon
いつまでも解決しないまま胸の裡に残っていた疑惑に対する 煩悶 の叫び
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
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疑問符が、金銭登録機のドル符号のように、ひっきりなしに浮かんでは消える
ウィリアム・アイリッシュ / 黒いカーテン amazon
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(確信)洋子はこの時、三年前に放たれ、なぜか行方知れずとなっていた真実の矢に、唐突に 射貫かれたかのように、確信を以て、早苗に問い質した。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
鉄よりも固い確信
夢野久作 / ドグラ・マグラ
絶体絶命の暴れ方をしだした。
岡本かの子 / 渾沌未分
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彼は女の子のように眼を伏せて床をみつめていた。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
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