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冴えない、ぱっとしない人生の表現・描写・類語
振り返ってみると、それは人生ですらないような気がする。少し起伏はあった。ごそごそと登ったり降りたりはした。でもそれだけだった。殆んど何もしていない。何も生み出していない。誰かを愛したことはあったし、誰かに愛されたこともあった。でも何も残っていない。奇妙に平坦で、風景が平板だ。まるでビデオ・ゲームの中を歩いているみたいな気がする。パックマンみたいだ。ぱくぱくぱくと迷路の中の点線を食べていく。無目的に。そしていつか確実に死ぬ。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
(仕事で)ホテルのカウンターで毎日毎日働いて人生を無駄に磨り減らしていくだけ。《…略…》時々ホテルに飲み込まれちゃうような気がする(。略)境界線が見えなくなっちゃうの。私という存在やら感覚やら私生活やらがホテルという宇宙の中にひきずりこまれて消えちゃうの。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
自分の前にある人生のショウは、何て退屈だったのだろう。周囲の様子をうかがい、慎重に、考えながら生きてきた。臆病なほどに。守るものなどどこにもないのに。だからパンクするんだ、あんな風に。
中村文則 / 教団X amazon
急な傾斜面に立っているような、いまにも転落して行く、安定のない生活
林 芙美子 / 浮雲 amazon
くねくねと曲がる道を、まるで先の見えない自分の人生のようだと感じながら、進んでいた。緩やかに下っていくところなどはさらに似ていた。
伊坂 幸太郎 / ラッシュライフ amazon
配電盤、砂場、貯水池、ゴルフ・コース、セーターの綻び、そしてピンボール……どこまで行けばいいのだろうと思う。脈絡のないバラバラのカードを抱えたまま僕は途方に暮れていた。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
幸せから逃げているみたいな人ですよ
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
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