日本語表現インフォ：ピンとくる言葉や描写が見つかる辞典

顔立ちも猿に似ていて、もし尻にスペード形の長い尾をつけたらそのまま悪魔にでもなりそうな貧相な小男

阿刀田高 / ゴルフ事始め「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録　ページ位置：35%　作品を確認（amazon）

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前後の文章を含んだ引用

......〝王の、そして由緒ある〟ゲームになりかかってはいたが、同時に庶民のリクリエーションとしての位置を完全に捨ててはいなかったのである。ジョンは無口で陰気で内攻的で、顔立ちも猿に似ていて、もし尻にスペード形の長い尾をつけたらそのまま悪魔にでもなりそうな貧相な小男であったが、性格的にはいわゆる職人気質、お客の注文通りにほんの一夜のうちに原図と寸分狂いのない、見事な靴を作りあげてしまう。猿の容貌と腕の確かさはいくぶん仲間う......

単語の意味

顔立ち（かおだち）

尻・臀・後（しり）

猿（さる）

顔立ち・・・顔全体の形。顔のつくり。顔から受ける感じ。顔つき。目鼻立ち。

尻・臀・後・・・１．腰のうしろ下部で、肉が豊かについている部位。座るときや腰をかけるときに下に位置するところ。肛門（こうもん）と尾てい骨がある辺り。尻（けつ）。臀部（でんぶ）。御居処（おいど）。
２．衣服の１にあたる部分。「ズボンの尻」
３．和服の腰から下の、裾（すそ）のほうの部分。
４．物事や長く続いているモノの、後方や一番あと。終わりの部分。しまい。最後。末端（まったん）。結果。
５．容器の外側の底の部分。また、果物の底部。「鍋の尻」

猿・・・１．ヒト以外の霊長類の総称。人間に似た哺乳動物。後ろ足でたったり前足で物を握ったりできる。音が「去る」と同じで忌み嫌われ、反対の意味の「得る」からエテ（得手）と代替することもある。
２．雨戸の桟（さん）に取り付けた戸締り道具。
３．囲炉裏（いろり）の自在鉤（じざいかぎ）を上げてとめておく用具。

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