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そう云われると謙作にはそれを見たような記憶がかすかにあった。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:5% 作品を確認(amazon)
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失われた記憶がよみがえる
忘れる・思い出せない・曖昧な記憶
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前後の文章を含んだ引用
......った時だったかしら」「そんな事はない。国会の開けた年なら、僕が三つか四つだもの」「そう? そんならいつだろう。夜桜かしら」 お栄は、夜桜の頃の仁輪加の話をした。そう云われると謙作にはそれを見たような記憶がかすかにあった。 謙作は直ぐ二階に床をとって貰って寝た。 夕方彼が未だ眠っているところに兄の信行が訪ねて来た。玄関へ出て行くと大きい赤皮のポオトフォリオを抱えた、会社の帰途らし......
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失われた記憶がよみがえるの表現・描写・類語(記憶のカテゴリ)の一覧 ランダム5
人によっては合わせ鏡のようにただひたすら展開するこの記憶の力に 翻弄 されて発狂するような局面なんだろう
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
(思い出の本をきっかけに失われた記憶がよみがえる)母は、前の夫と別れてそれが秋ごろで、飲んで泣いて純子さんを困らせて、その後純子さんがうちに 居候 するようになって……。 言葉にするとそういう感じの、でもそれはこんなふうにあらすじでおえるようなものでなく、もっとたくさんの、言葉ではなくてある種の情報の洪水だった。あるデーターを封じていたのに、何かの手違いでまとめて呼び出してしまったような塊が、まとめてどかんと入ってきた。 私は動揺した。なんでこんなきっかけでこんなことになってしまうのだろう? それらはどんどん流れを作り、筋道にそってあっという間に並べかえられてひとつの物語を作ろうとしていた。その処理は勝手にどんどん行われ、私はただ見ているしかなかった。それが何を創るのか。 私、という物語、自分史、といわれているもののもっと高度で、もっと 完璧 なもの。完成されていて丸くて立体で、私の情の入る 隙間 もないほど厳密なもの。 大きな渦巻き、まわりじゅうの人々や、出来事を海みたいに取り込んで、満ちて引いて私独自の色に染め抜かれた世界に一つしかない、あるいは皆と共通の一つのシルエットを 創る流れのらせんを感じた。 アンドロメダみたいによく知っていて、きれいで遠い姿をしていた。 そして、本から目をあげると。 ありとあらゆるものが、歴史をたたえてそこに存在していた。 さっきまでとは、世界が違ってみえた。 私の記憶の欠けていた所が戻ってきたということなのだろうか。 私は声に出してそう言ってみたけれど、何よりもさっきまでそういうのが思いだせない、混乱していた部分を自分が持っていたというのがもう感覚としてわからなかった。 ただ、何一つ変わっていないように見える部屋のものが、突然ひとつひとつ別のデーターを表現しているように感じられた。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
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忘れる・思い出せない・曖昧な記憶の表現・描写・類語(記憶のカテゴリ)の一覧 ランダム5
「あんたのお父さん、腕のええ船頭やったそうやなあ」 喜一は黙っていた。父親のことは記憶にないようだった。
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
スマフォで飛驒の山並みを検索する。記憶の中の風景とマッチする稜線を探す。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
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「記憶」カテゴリからランダム5
(久しぶりに聞く幼なじみの)その声はしんとした夜更けによく響く鐘をうち鳴らしたみたいに僕の頭の片隅にこびりついていた潜在的記憶を一瞬にしてありありと蘇らせた。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
頭の奥にしまわれていた古風な華麗な絵巻が突如として躍り出る
円地 文子 / 朱(あけ)を奪うもの amazon
少女の声、その残響が、まだうっすらと鼓膜に残っている。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
「きィよォしー、こォのよォるゥ……」 鼻唄が尻すぼみになった。何であんなやつのことを思い出すのだろう。
浅田次郎 / ろくでなしのサンタ「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
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