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(隣室から聞こえる男女のきぬ擦れの音)かすかに聞こえて来るきぬ擦れの音。それは、真夜中の静寂を縫うウインドチャイムのように耳を揺れ動かした。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 ページ位置:81% 作品を確認(amazon)
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小さな音・不鮮明な音
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前後の文章を含んだ引用
......うに胸に覆い被さるのに我慢できずに、水を飲もうと起き上がった。そして、隣室の人の気配に気付いたのである。 シンイチは金縛りにあったように身動きができなくなった。かすかに聞こえて来るきぬ擦れの音。それは、真夜中の静寂を縫うウインドチャイムのように耳を揺れ動かした。そして控え目であったにもかかわらず彼の全身を振動させる。さらに、その優雅さの故に、隣室のきぬ擦れの音を誰が作っているのか、彼にはっきりと悟らせる結果になったので......
単語の意味
静寂(せいじゃく)
静寂・・・物音一つなく静まり返っていること。ひっそりとして寂しさのあること。また。そのさま。「寂」は訓読みで「しず(か)」とも読める。
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最後のほうはもう、ほとんど聞き取ることができなかった。
朝井 リョウ「武道館 (文春文庫)」に収録 amazon
彼女の声はジャン・リュック・ゴダールの古い白黒映画の 台詞 みたいに、ぼくの意識のフレームの外から聞こえてきた。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
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左右の耳をはすに切って、息を凝 らす。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
あたりはおそろしいほどしんと静まりかえった。まるで生あるものの全てが死に絶えてしまったあとのような沈黙だった。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
喫茶店から甘い、くすぐるような音楽が聞こえてくる
遠藤周作 / 海と毒薬 amazon
てのひらの上に載っているイヤフォンから音符がぽろぽろとこぼれている。
朝井 リョウ / もういちど生まれる「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
豪雨の来る前触れの不気味な静謐さが漂う
原田 康子 / 挽歌 amazon
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