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(後ろから羽交い絞めに抱かれる)彼の腕は、まるでわたしがしがみついている、バーみたいだった。それは、突風が吹いてきても、人生から振り落とされずにいるためのバーに似ていた。 「この腕……」とわたしは彼の腕をさすりながら言った。「ジェットコースターに乗ってる時、身体を支えてくれるバーに似てる。握ってるだけで安心する」
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:96% 作品を確認(amazon)
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......る時があるけど」とわたしは胸のあたりで交差された彼の腕を両手で握りしめながら言った。「でも、最高に好きだと思う時もあるわ」 パジャマの下の、金茶色の毛で被われた彼の腕は、まるでわたしがしがみついている、バーみたいだった。それは、突風が吹いてきても、人生から振り落とされずにいるためのバーに似ていた。「この腕……」とわたしは彼の腕をさすりながら言った。「ジェットコースターに乗ってる時、身体を支えてくれるバーに似てる。握ってるだけで安心する」「たまにはうまいことを言うな」と彼は言い、わたしの耳朶からうなじにかけてキスをした。快感を覚え、わたしが少し上半身を反らせると、腰のあたりに、そそりたつようにな......
単語の意味
身体(しんたい)
身体・・・人のからだ。肉体。
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