小屋の外は既に薄暗く 窪地 の 樹 々 が、昼のむし暑さに疲れ果てたように、ぐったりとしている。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 ページ位置:45% 作品を確認(amazon)
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夏の夜
夏の夕方
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......ろうか。 戸がまた軋んで、さきほどの番人が姿をあらわした。「パードレ、もう行かんならんぞ」「どこ」「舟着場じゃ」 立ちあがると、空腹のために、軽い眩暈を感じる。小屋の外は既に薄暗く窪地の樹々が、昼のむし暑さに疲れ果てたように、ぐったりとしている。蚊柱が顔をかすめ、遠くから蛙の声がきこえた。 周りに、三人の番人たちがつきそったが、誰も、逃亡を警戒している者はいない。大声で何かを話しあい、時々、笑い声をたて......
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夏の夜の表現・描写・類語(夏のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(夏の夕方)日が傾きだしても、暑さが和らぐ気配はない。昼間、太陽を浴びた木々の葉が体温を発散しているからだろうか、開け放した窓から入ってくるのは風ではなく、熱気ばかりだ。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
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今は一番日の長い季節だ。五時半でもまだ夕方という感じがしない。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
夏の夕方の明るさは砂上の淡水のような肌目のこまかさで空気に溶け込み
岡本 かの子 / やがて五月に (1956年) amazon
帰り道はずいぶんに暗くなっていて、昼間の熱気の残りが夏特有の生暖かさに変化して、空気のそこらじゅうをぼこぼこと埋めておった。
川上 未映子「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
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舞台とは反対の方面で、しきりに花火を揚げる。花火の中から風船が出た。帝国万歳とかいてある。天主の松の上をふわふわ飛んで営所のなかへ落ちた。次にぽんと音がして、黒い団子が、しゅっと秋の空を射抜くように上がると、それがおれの頭の上で、ぽかりと割れて、青い煙が傘の骨のように開いてだらだらと空中に流れ込んだ。風船がまた上がった。
夏目 漱石 / 坊っちゃん amazon
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