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事業というものは片っぽうで先走った思い付きを引締 めて、片っぽうはひとところへ噛 り付きたがる不精 な考えを時勢に遅れないように掻き立てて行く。ここのところがちょっとしたこつです。ところが、老先生にはこの両方の極端のところだけあって、中辺のじっくりした考えが生れ付き抜けていなさる。これじゃ網のまん中に穴があるようなもので、利というものは素通りでさ
岡本かの子 / 渾沌未分 ページ位置:55% 作品を確認(青空文庫)
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馬鹿・無知・浅はか
詰めが甘い
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前後の文章を含んだ引用
......箸を上げていると、貝原はビールの小壜 を大事そうに飲んでいる。ぽつぽつ父親の噂 を始めた。 「どうも、うちの老先生のようじゃ、とても身上 の持ち直しは覚束 ないですねえ。事業というものは片っぽうで先走った思い付きを引締 めて、片っぽうはひとところへ噛 り付きたがる不精 な考えを時勢に遅れないように掻き立てて行く。ここのところがちょっとしたこつです。ところが、老先生にはこの両方の極端のところだけあって、中辺のじっくりした考えが生れ付き抜けていなさる。これじゃ網のまん中に穴があるようなもので、利というものは素通りでさ」貝原は、父親には、反感を持っていないようなものの、何の興味もないらしい口調だった。 「あたし、何にも知らないけれど、あんた、この頃でもうちの父に、何かお金のこと......
単語の意味
無精・不精(ぶしょう)
無精・不精・・・精が出ないこと。怠(なま)けること。面倒くさがること。また、そのさま。また、そのさま。身だしなみに無頓着なさまなどにもいう。「精」は、「ひたすらはげむ」という意味。
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派手好きなだけの頭のからっぽな俗物
日野 啓三 / 抱擁 amazon
地域のダストボックスと呼ばれている稲野原高校の生徒
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
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主人の論理には大 なる穴がある。この垣よりも大いなる穴がある。呑舟 の魚をも洩 らすべき大穴がある。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
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「思考・頭の中の状態」カテゴリからランダム5
筆はますます渋るばかりだった。軽い陣痛のようなものは時々起こりはしたが、大切な文字は生まれ出てくれなかった。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
風人の透明な声が、頭の中をぐるぐると駆け巡る。
朝井 リョウ / ひーちゃんは線香花火「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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(頭が良すぎて時々ついていけない)脳内にはおそらく、彼の思考スピードに合わせてこしらえられた高速サーキットのようなものがあり、彼は時々そこで本来のギアを使った走行を一定時間こなさなくてはならないのだろう。そうしないと──つくるの凡庸なスピードにつきあってローギア走行を続けていると──彼の思考システムは過熱し、微妙な狂いを見せ始めるのかもしれない。そんな印象があった。しばらくすると灰田はそのサーキットから降りて、何ごともなかったように穏やかな笑みを浮かべ、つくるのいる場所に戻ってきた。そして速度を緩め、またつくるの思考のペースに合わせてくれた。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
お話にならない大馬鹿者
林芙美子 / 新版 放浪記
無知は時に武器となり、勇気となるが、必要以上の不安のもとともなる。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
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