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空も、はかないようなうっすら白い雲がはるかにベールのようにかかった静かな青色をたたえていた。透明な液体がそっとこぼれてしまいそうな不思議な青だった。
吉本ばなな / うたかた「うたかた/サンクチュアリ」に収録 ページ位置:42% 作品を確認(amazon)
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薄く広がった雲
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前後の文章を含んだ引用
......見続けてきたからかもしれない。 こんなこともあった。 その日私は嵐の家に向かって急いで商店街を抜けて行った。午後早くの店々には人もまばらで、妙にしんとしていた。空も、はかないようなうっすら白い雲がはるかにベールのようにかかった静かな青色をたたえていた。透明な液体がそっとこぼれてしまいそうな不思議な青だった。 商店街のはずれの所を通った時、「おい」と呼び止める声がした。見ると、果物屋のレジに嵐がすわっていた。「なにしてるの?」 びっくりして私は言った。「店番頼まれて......
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ベール
ベール・・・1.女性が頭からかぶる薄い布やネット。顔を覆い隠すくらいの長さがある。
2.はっきりさせないために覆い隠すもの。とばり。「秘密のベールに包まれる」「ついにベールを脱ぐ」
ヴェール。
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