暮れていく空を背景に桜は輝いていた。夕陽を受け、花は淡い金色に縁取られ、風が吹くたびに花びらではなく光が零れ散っていた。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー〈2〉 (文春文庫)」に収録 ページ位置:34% 作品を確認(amazon)
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桜
桜が散る
木漏れ日
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前後の文章を含んだ引用
......、ちゃんと見ればいいのに。もったいないじゃん」 美咲の細い指が頭上の桜を指差す。つられて、おばさんの視線があたしたちの顔から満開の花に移った。「あら……まあ」 暮れていく空を背景に桜は輝いていた。夕陽を受け、花は淡い金色に縁取られ、風が吹くたびに花びらではなく光が零れ散っていた。「ねっ、かなりでしょ」 美咲が得意げに笑う。まるで自分が目の前の美を演出したかのような笑みだ。不遜な笑みとも見える。 眼鏡おばさんの後ろから、丸顔の小柄なおばさ......
単語の意味
淡い(あわい)
暮れる(くれる)
夕日・夕陽(ゆうひ)
淡い・・・味や色や香りなどが薄い。光や形がぼんやりしている。
暮れる・・・1.太陽が沈んで外が暗くなる。⇔明ける。
2.季節や年が終わる。「年が暮れる」
3.同じことの繰り返しや、同じ気持ちのままで時間を過ごす。「涙に暮れる」
昏れる・眩れる・暗れる・闇れる、とも書く。
2.季節や年が終わる。「年が暮れる」
3.同じことの繰り返しや、同じ気持ちのままで時間を過ごす。「涙に暮れる」
昏れる・眩れる・暗れる・闇れる、とも書く。
夕日・夕陽・・・夕方の太陽。入り日(いりひ)。
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桜の表現・描写・類語(春のカテゴリ)の一覧 ランダム5
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桜が散るの表現・描写・類語(春のカテゴリ)の一覧 ランダム5
横向に庇 を向いて開いた引窓から、また花吹雪 を一塊 りなげ込んで、烈しき風の吾を遶 る
夏目漱石 / 吾輩は猫である
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木漏れ日の表現・描写・類語(晴れ・曇りのカテゴリ)の一覧 ランダム5
木々のあわいが不規則な光と影に充たされる
大岡 昇平 / 野火 amazon
畑の真中ほどに桐の樹が二本繁っている。葉が落ちかけて居るけれど、十月の熱を凌 ぐには十分だ。
伊藤左千夫 / 野菊の墓
木漏れ日が鍋の湯気に虹を流す
石川 達三 / 独りきりの世界 amazon
緑がかった葉洩れ日が頬を複雑に染める
高橋 和巳 / 我が心は石にあらず amazon
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「春」カテゴリからランダム5
アケビの蔓の、花は明るい紫色だ。 もちろん、そのときは木の名前なんか知らない。ただ、「きれいだなあ」と、夜が近づきあたりが見えなくなるのを惜しむばかりだった。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
(冬のウグイス)食欲に肥えふとって、なにか堅いチョッキでも着たような恰好をしている。
梶井基次郎 / 冬の日
「晴れ・曇り」カテゴリからランダム5
大地から立ちのぼる炎に似たかげろう
北 杜夫 / 谿間にて「新潮日本文学 61 北杜夫集―楡家の人びと・他」に収録 amazon
高あく澄んだ青空をながめると、変なほど雲がない。
宮本百合子 / 秋風
晩春の午後の陽の光が引き潮のようにおとろえて行った
大江 健三郎 / セヴンティーン「性的人間 (新潮文庫)」に収録 amazon
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