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部屋の中も外観と同じように、懐しく古びていた。床や天井や柱の木目には時間の染みが塗り込められ、それが適度な艶になっていた。家具やカーペット、テーブルクロスや花瓶にいたるまで、何一つ新品はなかった。どれもが丁寧に使い込まれ、手入れされていた。ちょっとしたひっかき傷やほつれが、わたしをくつろいだ気分にしてくれた。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 ページ位置：41% 作品を確認（amazon）
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室内の雰囲気
丁寧に使い込まれている
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前後の文章を含んだ引用
......セットしているところだった。「いらっしゃい。」 彼は親しみのこもった笑顔でわたしを迎えてくれた。窓から差し込む光が柔らかすぎて、彼の輪郭がぼやけるほどだった。 部屋の中も外観と同じように、懐しく古びていた。床や天井や柱の木目には時間の染みが塗り込められ、それが適度な艶になっていた。家具やカーペット、テーブルクロスや花瓶にいたるまで、何一つ新品はなかった。どれもが丁寧に使い込まれ、手入れされていた。ちょっとしたひっかき傷やほつれが、わたしをくつろいだ気分にしてくれた。 手際よく食事の準備ができた。籐かごのタムは、彼女がテーブルの端に飾った。わたしたちは白ワインで乾杯し、遅めの昼食を食べ始めた。 食事は申し分なかった。グリンピ......
単語の意味
艶（つや）
艶・・・１．物の表面に感じられる、なめらかで、美しく光る印象。
２．声などに張りがありなめらかで美しいこと。
２．声などに張りがありなめらかで美しいこと。
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