未舗装の林道にハンドルを切った。 鬱蒼 とした緑のトンネルをくぐり、沢にかかった脆そうな小橋を渡る。右へ左へと道は不規則なカーブを描き、車は砂利を撥ね上げる音を立てながらゆっくりと走る。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:89% 作品を確認(amazon)
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車が走る
林道
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前後の文章を含んだ引用
......道へと分け入った。緑が次第に深くなる。ところどころ木々の合間に別荘らしき建物が姿を覗かせる。「ええと、この道かな……」 俊郎がメモを片手に車を減速させる。そして未舗装の林道にハンドルを切った。 鬱蒼とした緑のトンネルをくぐり、沢にかかった脆そうな小橋を渡る。右へ左へと道は不規則なカーブを描き、車は砂利を撥ね上げる音を立てながらゆっくりと走る。別荘はこの林道にも点在しているが、草木に覆い尽くされて、まったく人が寄りついている気配のない建物も多い。こんな別荘だったらちょっと嫌だなと尋恵は思う。 と、さら......
単語の意味
鬱蒼・鬱葱(うっそう)
沢(さわ)
鬱蒼・鬱葱・・・草木が薄暗くなるほどたくさん茂っているさま。
沢・・・山に囲まれた、川の流れの始まりに近いの谷川。水が少したまった、草の生えている湿地。山中の川が流れている谷状地形。
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ワゴンは滑るように夜の道路を駆けた。
重松 清「流星ワゴン (講談社文庫)」に収録 amazon
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林道の表現・描写・類語(道・道路のカテゴリ)の一覧 ランダム5
宮沢賢治 / 銀河鉄道の夜
道が林の中に入り、しばらく道はじめじめして、あたりは見えなくなりました。
宮沢賢治 / 風の又三郎
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二三回乗っているうちにペタルが足について来て、するするとハンドルでかじが取れるようになった。
林芙美子 / 新版 放浪記
電話の向こうで車のクラクションが続けざまに鳴るのが聞こえた。運転手は何かに対してかなり腹を立てているようだった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
車体は鳥肌のような雨粒がつき、重くなった水玉が冬の虫みたいにゆっくりと下に垂れていく
村上 龍 / 限りなく透明に近いブルー amazon
大河の心臓の音のように、川蒸気の音が聞えて来る。
岡本 かの子 / やがて五月に (1956年) amazon
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生垣の小途(こみち)が網のようにつづき
大原 富枝 / ストマイつんぼ (1957年) amazon
参観路の砂利は真夏の光りに灼け、私の運動靴の粗悪なゴム裏は、石のひとつひとつに粘ついた
三島由紀夫 / 金閣寺 amazon
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