教師は 綽名 をオコゼといったが、それはあの 虎魚 という魚のように額も頰骨もとび出た中年の男だった
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 ページ位置:64% 作品を確認(amazon)
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動物に似た人の印象
あだ名
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前後の文章を含んだ引用
......った。あの木村にぼくは昆虫箱をやったことは既に書いたが、中学にはいっても昆虫を集め、麻酔薬を注射してはナフタリンの臭いのこもった箱に入れて楽しんでいた。 博物の教師は綽名をオコゼといったが、それはあの虎魚という魚のように額も頰骨もとび出た中年の男だったからである。膝の丸くなったヨレヨレの洋服を着て、彼は窪んだ小さな眼をしばたたかせながら、自分の一生は六甲山にいる昆虫の研究に捧げるのだと、生徒に言いきかせるのだ......
単語の意味
虎魚・鰧(おこぜ)
虎魚・鰧・・・オニオコゼ科の硬骨魚の総称で、主に鬼虎魚(おにおこぜ)を指す。鬼虎魚は、鬼のように醜い顔をした近海魚。大きな背びれに毒のとげがある。夏が旬で美味。
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眼つきが、ヒラメに似ている
太宰治 / 人間失格
少しだけ色黒で、目がつり上がっていて、体が小さい。松岡きっこを縮めたような……と言うと本人は怒るんだが、そういう感じだ。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
長い蛙股 の杖 をついた、目の丸い、口の大きな、どこか蟇 の顔を思わせる、卑しげな女
芥川龍之介 / 偸盗
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(仮名)X〟という無機的な呼称
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
現金輸送車ジャックなんてふざけた名前で呼ばれて
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
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(亡くなった我が子の)押しつけられたなきがらのよろめくような重さを、乙松は忘れない。
浅田次郎 / 鉄道員(ぽっぽや)「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
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