様々の形に尾を引いて流るる白い雲……黒い雲……黄色い雲……その切れ目切れ目に薬液のように苦々しく澄み渡っている青い青い空
夢野久作 / ドグラ・マグラ ページ位置:96% 作品を確認(青空文庫)
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雲
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前後の文章を含んだ引用
......いだ……そのあとから白い輪廓ばかりの死美人の裸体像が六個 ほど、行儀よく並んで辷 って行くのを見た。 人の頭のように……又は眼の形……鼻の恰好……唇の姿なぞ取り取り様々の形に尾を引いて流るる白い雲……黒い雲……黄色い雲……その切れ目切れ目に薬液のように苦々しく澄み渡っている青い青い空……そんなものの下に冴えに冴え返る神経と、入り乱れて火花を散らす感情を包んだ頭の毛を、掻き挘 り、掻き乱しつつ……時々飛び上る程の痛みを前額部に感じつつ……眩 しさ......
単語の意味
苦々しい(にがにがしい)
苦々しい・・・とても不快。すごくイヤ。
同じ漢字を重ねることで、語調を整えて意味を強めた表現。
同じ漢字を重ねることで、語調を整えて意味を強めた表現。
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雲の表現・描写・類語(空・中空のカテゴリ)の一覧 ランダム5
暗い古綿を浮かべたまま寒々と暮れて行く空
城山三郎 / 辛酸 amazon
通りかかった雲の、観音様の仰むけになったようなのが
中 勘助 / 銀の匙 amazon
古代の神々のように、雲がいくつも海の上に泛(うか)んでいる
三島 由紀夫 / 潮騒 amazon
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南の山のすぐ下を、神去川が闇に白く流れている。見上げれば映したように、空にも大きな星の川。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
砂のような雲が空をさらさらと流れる
堀 辰雄 / 風立ちぬ amazon
まるでついさっき灰の山をくぐり抜けてきたみたいに全体が不思議な白みを帯びていた
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
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