やんまが一疋 止まって、羽を山形に垂れて動かずにいる。
森鴎外 / 阿部一族 ページ位置:20% 作品を確認(青空文庫)
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トンボ
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前後の文章を含んだ引用
......鈴をつけた吊荵 が吊ってある。その風鈴が折り折り思い出したようにかすかに鳴る。その下には丈 の高い石の頂 を掘りくぼめた手水鉢 がある。その上に伏せてある捲物 の柄杓 に、やんまが一疋 止まって、羽を山形に垂れて動かずにいる。 一時 立つ。二時 立つ。もう午 を過ぎた。食事の支度は女中に言いつけてあるが、姑 が食べると言われるか、どうだかわからぬと思って、よめは聞きに行こうと思いながらためら......
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トンボの表現・描写・類語(秋のカテゴリ)の一覧 ランダム5
淡いオレンジの夏アカネだ。七月も終わりになる頃、このトンボは、あたしたちの街のあちこちに、群れて飛ぶ。夏の盛りと秋の始まりが、もうそこまで来ていた。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
杉林の前には、数知れぬ蜻蛉の群が流れていた。たんぽぽの綿毛が飛んでいるようだった。
川端 康成 / 雪国 amazon
朱ザヤのような照りのある、小がらの赤トンボ
山本 有三 / 波 amazon
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ゴキブリはケチャップがドロリと溜まった皿に頭を突っ込んで背中が脂で濡れている。ゴキブリを潰すといろいろな色の液が出るが、今のあいつの腹の中は赤いかも知れない。昔、絵具のパレットを張っているやつを殺したら鮮やかな紫色の液体が出た。その時パレットには紫という絵具は出していなかったので小さな腹の中で赤と青が混じったのだろうと僕は思った。
村上 龍 / 限りなく透明に近いブルー amazon
真上から、直射日光を残された四人にあてている。土下座した四人の影が黒く地面にうつり、蟬がまた、その光った空気を裂くように鳴きはじめる。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
蜘蛛は枝のつけ根に紙の袋のような巣を構えていた。
佐藤 春夫 / 田園の憂鬱 amazon
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