淡いオレンジの夏アカネだ。七月も終わりになる頃、このトンボは、あたしたちの街のあちこちに、群れて飛ぶ。夏の盛りと秋の始まりが、もうそこまで来ていた。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 ページ位置:95% 作品を確認(amazon)
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トンボ
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前後の文章を含んだ引用
......楽しいよ。泳げなかったけど、楽しかった。遊んであげるって、美咲が言ってるよ。 メールをしてみようか。他愛ないメールを送ってみようか。 荷台にトンボが入ってきた。淡いオレンジの夏アカネだ。七月も終わりになる頃、このトンボは、あたしたちの街のあちこちに、群れて飛ぶ。夏の盛りと秋の始まりが、もうそこまで来ていた。 あたしたちは、少し疲れていた。行きほどはしゃぎもせず、高揚もせず、車の震動に身を任せていた。荷台には、あたしたちについてきた潮の香りが、消えずに漂っていた。 ......
単語の意味
淡い(あわい)
蜻蛉・蜻蜒(とんぼ)
淡い・・・味や色や香りなどが薄い。光や形がぼんやりしている。
蜻蛉・蜻蜒・・・1.トンボ目の昆虫を総称。長くて透明な二対の羽で軽快に飛ぶ昆虫。体は細長くて円筒状。複眼は大きくて、触角は短い。大形のものは総称で「蜻蜒(やんま)」と呼ぶ。幼虫は「水蟇(やご)」といい、水中に生活する。
2.「とんぼがえり」の略。(トンボが空中で急に方向転換することから)空中で体を一回転させること。または、ある場所へ行って、すぐ戻ってくること。
3.運動場などの地ならしに使う、T字形の道具。
2.「とんぼがえり」の略。(トンボが空中で急に方向転換することから)空中で体を一回転させること。または、ある場所へ行って、すぐ戻ってくること。
3.運動場などの地ならしに使う、T字形の道具。
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トンボの表現・描写・類語(秋のカテゴリ)の一覧 ランダム5
朱ザヤのような照りのある、小がらの赤トンボ
山本 有三 / 波 amazon
やんまが一疋 止まって、羽を山形に垂れて動かずにいる。
森鴎外 / 阿部一族
淡いオレンジの夏アカネだ。七月も終わりになる頃、このトンボは、あたしたちの街のあちこちに、群れて飛ぶ。夏の盛りと秋の始まりが、もうそこまで来ていた。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
杉林の前には、数知れぬ蜻蛉の群が流れていた。たんぽぽの綿毛が飛んでいるようだった。
川端 康成 / 雪国 amazon
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「秋」カテゴリからランダム5
初秋の黄昏は幕の下りるように早く夜に変った。
永井 荷風 / すみだ川 amazon
(やんま)翡翠 の大きな眼、黒と黄の段だら染め、細くひきしまった腰から尾への強い線、──みんな美しい。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
「昆虫・虫」カテゴリからランダム5
白い蝶々が雪のように群れて
林芙美子 / 新版 放浪記
蠅がふたたび、彼と女との汗の臭いを慕って、首のまわりを飛びまわりはじめた。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
羽音は眠くなるほど懐かしい
松本侑子 / 植物性恋愛 amazon
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