「困るね」と東風君が気の毒そうに調子を合わせる。
夏目漱石 / 吾輩は猫である ページ位置:91% 作品を確認(青空文庫)
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憐れ・同情・かわいそう
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......じゃ何にもならない。弾 かなければ役に立たない。弾けば音が出る。出ればすぐ露見する。ちょうど木槿垣 を一重隔てて南隣りは沈澱組 の頭領が下宿しているんだから剣呑 だあね」 「困るね」と東風君が気の毒そうに調子を合わせる。 「なるほど、こりゃ困る。論より証拠音が出るんだから、小督 の局 も全くこれでしくじったんだからね。これがぬすみ食をするとか、贋札 を造るとか云うなら、まだ始末がいい......
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「憐れ・同情・かわいそう」の表現・描写・類語(悲しみのカテゴリ)の一覧 ランダム5
壊れた玩具のようにいたいたしい様子だった。
宇野 千代 / 色ざんげ amazon
「困るね」と東風君が気の毒そうに調子を合わせる。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
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(わが子が)「治らない」、つまりは 助からない、と知った時、里枝は、目に見えない何か乱暴な手に口を塞がれて、そのまま 鷲 摑 みにされたように、まったく息が出来なくなってしまった。体の内側が火がついたように熱くなり、また氷を詰め込まれたかのように冷たくなって、両手足を奇矯に擦り合わせながら、ただ泣くばかりだった。 その時、自分の体が何をしようとしていたのか、里枝は今ではわかる気がした。 そのまま、もう何もわからなくなるまで、狂ってしまおうとしていたのだった。
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
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