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宮沢賢治 / いちょうの実 ページ位置:95% 作品を確認(青空文庫)
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冷たい風・冬の季節風
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......した。 北 から氷 のようにつめたいすきとおった風 がゴーッとふいてきました。 「さよなら、おっかさん。」「さよなら、おっかさん。」子 どもらはみんな一度 に雨 のようにえだからとびおりました。 北風 がわらって、 「ことしもこれでまずさよならさよならっていうわけだ。」といいながらつめたいガラスのマントをひらめかしてむこうへいってしまいました。 お日様 はもえる宝石 のように東 の空 にかかり、あらんかぎりのかがやきを悲 しむ母親 の木 と旅 にでた子 どもらとに投 げておやりなさいました。
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