(月は)反対側の嶺線に隠れた。そして光だけ、長く対岸に残っていた。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 ページ位置:23% 作品を確認(amazon)
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月の光・月明かり
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前後の文章を含んだ引用
...... さらに幾夜かがあった。中隊を出る時三日月であった月は、次第に大きさと光を増して行った。片側の嶺線からのぞき込むように現われると、谷を蔽う狭い空をさっさと越え、反対側の嶺線に隠れた。そして光だけ、長く対岸に残っていた。その整然たる宇宙的運行は、私を嘲けるように思われた。 片側の斜面が尽きて横谷が現われ、流れ出る水が落ち合って、河原を拡げていた。二つの水の間の三角の段丘に、椰子......
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月の光・月明かりの表現・描写・類語(空・中空のカテゴリ)の一覧 ランダム5
燐光のような月の光
宮本百合子 / 伸子
(月は)ためらうような光を地上に落としている
藤沢 周平 / 麦屋町昼下がり amazon
月の光りが、大幅 の帯を空 に張るごとく横に差し込む。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
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「空・中空」カテゴリからランダム5
虚空に浮いている幸福な金貨のような月の光り
林芙美子 / 新版 放浪記
天の怒り、天の恨みを吹きつけたような嵐の日の荒々しい雲
竹西 寛子 / ひとつとや amazon
空は朗らかに晴れ、絵巻のように黄金に輝いた雲が浮かんでいた
三島由紀夫 / 花ざかりの森 amazon
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