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虚空に浮いている幸福な金貨のような月の光り
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:87% 作品を確認(青空文庫)
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......落ちこんで行く。  幸福の馬車は、いちはやくこうした徒輩の間を一目散に走り去ってゆく。みんな見送る。ただ、ぼんやりとわめき散らす。月が盗まれたような気がして来る。虚空に浮いている幸福な金貨のような月の光りは消えた。月さえも万人の所有物ではないのだ。――私は貴族は大嫌い。皮膚に弾力のない不具者だ。  今日も南天堂は酔いどれでいっぱい。辻潤つじじゅん禿頭はげあたまに口紅がついている。浅......
単語の意味
虚空(こくう)
虚空・・・1.何も存在しない空間。
2.1が転じて、大空。
3.数の単位のひとつ。六徳(りっとく)の10分の1。
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(昼の月)ビルの上にうす青い空があり、白い透き通った半月形の月が浮かんでいた。
向田邦子 / 大根の月「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
白い月が賢いみなしごのように寡黙に空に浮かんでいた。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
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身体が水気を帯びて重い気がする。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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