白い月が賢いみなしごのように寡黙に空に浮かんでいた。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 ページ位置:24% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
月
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......時計の針は三時半を指していた。ぼくは台所に行って水を一杯飲み、そのあとまたベッドにもぐり込んで目を閉じた。でも眠りは簡単には訪れなかった。窓のカーテンを引くと、白い月が賢いみなしごのように寡黙に空に浮かんでいた。とても眠れそうにない。ぼくは新しい濃いコーヒーを作り、椅子を窓際にもっていってそこに座り、チーズをのせたクラッカーを何枚か食べた。そして本を読みながら夜明けがや......
ここに意味を表示
月の表現・描写・類語(空・中空のカテゴリ)の一覧 ランダム5
昼の月が、やぶけたオブラートのように、青い空に張りついていた。
山本 有三 / 波 amazon
するどく傾(かし)いだ焔のような月の面
瀧井 孝作 / 無限抱擁 amazon
(満月)まるで真珠みたい
よしもとばなな / 銀の月の下で「まぼろしハワイ」に収録 amazon
剃刀の尖(さき)ででも切ッたような薄い月
小杉 天外 / 初すがた amazon
このカテゴリを全部見る
「空・中空」カテゴリからランダム5
なんとすばらしい火の美だろう、恐い魔術だろう、瞬間の光焔の中には見上げたものの魂がみんな燃えてしまった。
吉川英治 / 銀河まつり
(月光に照らされた岩山の道)月光があたりを鮮やかに照らしていたので、歩くのに不自由はなかった。月光は岩と岩とのあいだに複雑な影の模様を作り出し、地面を不可解な色あいに染めていた。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
月の全体の形も頭蓋骨に似ている。白銀の頭蓋骨だ。
佐藤 春夫 / 田園の憂鬱 amazon
同じカテゴリの表現一覧
空・中空 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ