遊園地には大きな観覧車がある。ドアのついた色とりどりの箱が運命を思わせる大きな車輪に結びつけられ、時間をかけて空をまわっているのが見える。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 ページ位置:67% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
観覧車
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......生活を始める。音楽祭に通い、近所を散歩し、何人かの人々と顔見知りになる。お気に入りのレストランとカフェをみつける。彼女の部屋の窓から町外れにある遊園地が見える。遊園地には大きな観覧車がある。ドアのついた色とりどりの箱が運命を思わせる大きな車輪に結びつけられ、時間をかけて空をまわっているのが見える。それは限定された天空に達し、そして下降を始める。観覧車はどこにも行かない。上までのぼって、また戻ってくるだけだ。そこには不思議な心地よさがあった。 夜になると観......
ここに意味を表示
観覧車の表現・描写・類語(店・施設のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(閉園間際の観覧車)どの箱にも乗客の姿はない。たくさんの空っぽの箱が、くるくると無為に空中を回転しているだけだ。まるで世界そのものが尻すぼみの終局に近づいているみたいに。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
遊園地には大きな観覧車がある。ドアのついた色とりどりの箱が運命を思わせる大きな車輪に結びつけられ、時間をかけて空をまわっているのが見える。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
観覧車は、遠くから眺めると、タンブラーの縁に掛けた輪切りのオレンジのようにも、角材に食い込んだ円盤形の電動ノコギリのようにも、見える。
重松 清「流星ワゴン (講談社文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「店・施設」カテゴリからランダム5
(船宿みたいな宿屋から)白樺荘に移って来たと云うのは、驢馬(ろば)を豚に乗り替えたも同然
小沼 丹 / 白孔雀のいるホテル (1955年) amazon
船のような大きな賽銭箱(さいせんばこ)
永井荷風 / 歓楽 amazon
(夜の病院)まだ八時前だというのに外来受付の明かりが消されてしまった待合ホールは、薄暗い蛍光灯の中、古びたベンチが並んでいる。 昼間、ここで百人を超す人々が順番待ちをしていたとは思えないほど狭い。 人々の姿が消え、夜間の待合ホールに残されているのは、古びたベンチと、カラフルなペンキで床に示された各病棟への矢印だけだ。 ピンク色の矢印は産婦人科へ。黄色い矢印は小児科へ。そら色の矢印は脳外科へ。 薄暗い蛍光灯の下、カラフルな矢印だけが華やいで見える。カラフルな矢印だけが場違いに見える。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
部屋が広すぎて、天井が暗くてこわかった。
吉本 ばなな / らせん「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
店・施設 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ