夕方の門燈 が薄明るくついていて、むかし信州の山で見たしゃくなげの紅 い花のようで、とても美しかった。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:3% 作品を確認(青空文庫)
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街灯・外のあかり
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......はての駅に下り立ち 雪あかり さびしき町にあゆみ入りにき 雪が降っている。私はこの啄木 の歌を偶 っと思い浮べながら、郷愁のようなものを感じていた。便所の窓を明けると、夕方の門燈 が薄明るくついていて、むかし信州の山で見たしゃくなげの紅 い花のようで、とても美しかった。 「婢 やアお嬢ちゃんおんぶしておくれッ!」 奥さんの声がしている。 あああの百合子と云う子供は私には苦手だ。よく泣くし、先生に似ていて、神経が細くて全く火の玉を背......
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夕方の門燈 が薄明るくついていて、むかし信州の山で見たしゃくなげの紅 い花のようで、とても美しかった。
林芙美子 / 新版 放浪記
誘蛾灯の青白い光の輪の中に、閉じた木槿(むくげ)白い花が小鳥の寝姿のようにぽっかりと浮いている
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