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その「そうかしら」という彼女のいくらか語尾をはね上げて発音する声が、いまも、はっきりと彼の耳の中深くで甦った。「そうかしら」それは彼の耳の中の空気を、十年前と同じやわらかい振幅でふるわせるようである。
野間 宏 / 残像「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 ページ位置:40% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
......毛をもじゃもじゃと蓄えていたときのことであった。もちろん彼はいやだと言いはったのである。「そうかしら、茂明さんには似合うんじゃあない?」と彼女は言った。そして、その「そうかしら」という彼女のいくらか語尾をはね上げて発音する声が、いまも、はっきりと彼の耳の中深くで甦った。「そうかしら」それは彼の耳の中の空気を、十年前と同じやわらかい振幅でふるわせるようである。彼女はこの「そうかしら」という言葉を頭につけてよく会話を導く習慣をもっていた。そしてそのために彼女は友人の間で、「そうかしら」さんという渾名で呼ばれたのである。......
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