一匹の 蠅 が、格子から飛びこんできて、ねむけを誘う羽音をたてながら司祭の周りを廻りはじめる。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 ページ位置:57% 作品を確認(amazon)
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蚊・ハエ
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前後の文章を含んだ引用
......日、生きればいい。「そりば捨つとはあったらかのう」「ごうぎい惜しかよ」 何を話しているのか知らないが番人と片眼の男との、のんびりした会話が風に流れて聞えてくる。一匹の蠅が、格子から飛びこんできて、ねむけを誘う羽音をたてながら司祭の周りを廻りはじめる。突然誰かが中庭を走った。ずっしりと重く、鈍い音が響いた。司祭が格子にしがみついた時は、処刑を終った役人が、鋭く光った刀をおさめる時だった。片眼の男の死体は地面に......
単語の意味
蠅・蝿(はえ)
蠅・蝿・・・ハエ目ハエ亜目ハエ下目に属する昆虫の総称。羽は二枚で触角は太くて短い。食べ物などにたかり、伝染病を媒介する。長い口先を使って液体などを舐める。幼虫はいわゆる「うじ」。不快なもの、五月蝿(うるさ)いものの代名詞にも使われる。
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両脚を挙げて腋の下を掻 くような模 ねをしたり手を摩 りあわせたり
梶井基次郎 / 冬の蠅
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一筋二筋と糸のように残って聞えた虫の音
永井 荷風 / ぼく東綺譚 amazon
絣(かすり)のように群がり光る赤トンボ共
石坂 洋次郎 / 山のかなたに amazon
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