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絣（かすり）のように群がり光る赤トンボ共

石坂洋次郎 / 山のかなたに　作品を確認（amazon）

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中空には生徒の数に劣らない沢山の赤トンボが、まるでなにかの図案のように群れ飛んでいた。

石坂洋次郎 / 山のかなたに　amazon関連カテ大量に・たっぷり・たくさんトンボ

絣（かすり）のように群がり光る赤トンボ共

石坂洋次郎 / 山のかなたに　amazon

夕空に舞い狂う赤とんぼの色。

吉本ばなな / 満月キッチン2「キッチン (角川文庫)」に収録　amazon関連カテ赤色（赤い）トンボ

（やんま）翡翠ひすいの大きな眼、黒と黄の段だら染め、細くひきしまった腰から尾への強い線、──みんな美しい。

直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録　amazon

やんまが一疋（ぴき）止まって、羽を山形に垂れて動かずにいる。

森鴎外 / 阿部一族

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ポプラは無数の裸の細い枝を天にむかってつきたてている《…略…》どこまでも細く空をつきとおしているポプラ

野間宏「真空地帯（新潮文庫）」に収録　amazon

九月は十月になった。さびしい風が裏の森を鳴らして、空の色は深く碧く、日の光は透通った空気に射渡って、夕の影が濃くあたりを隈どるやうになった。

田山花袋 / 蒲団　amazon

やんまが一疋（ぴき）止まって、羽を山形に垂れて動かずにいる。

森鴎外 / 阿部一族

赤松の間に二三段の紅（こう）を綴った紅葉（こうよう）は昔（むか）しの夢のごとく散ってつくばいに近く代る代る花弁（はなびら）をこぼした紅白（こうはく）の山茶花（さざんか）も残りなく落ち尽した。

夏目漱石 / 吾輩は猫である関連カテ庭・縁側・ベランダ紅葉初冬・冬の始まり

ケヤキの落ち葉がベランダの目隠しのプラスチック板に打ちつけられ、辛辣な乾いた音を立てた。

関連カテ庭・縁側・ベランダ枯れ葉・葉が散る

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（こおろぎの）雄の、羽根を擦り合せている音は、まるで小声で女を呼ぶような甘くて物悲しいものであった

林芙美子 / 泣虫小僧　amazon

（馬のあとを）太った銀蠅が、ぎらつきながらそのあとを追っていった。

宮本輝 / 泥の河「螢川・泥の河（新潮文庫）」に収録　amazon関連カテ蚊・ハエ馬

カメ虫はいずれも死んだともみえぬ姿で、かえってこれが永遠のいのちだといわんばかりに干からびて

森敦 / 月山　amazon関連カテ死人・遺体その他の虫

ぶ厚い四翅をばさばさと打ちふるたびに、綿の実のような鱗粉が片々と乱れ

北杜夫 / 谿間にて「新潮日本文学 61 北杜夫集―楡家の人びと・他」に収録　amazon関連カテ虫が飛ぶ・羽音蛾（が）

（肌が弱い）ひどい藪蚊（やぶか）にさされる。皮膚が弱いのですぐぷっとふくれる。

林芙美子 / 新版　放浪記関連カテ蚊・ハエその他の肌の雰囲気

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