TOP > 人物表現 > 記憶 > 思い起こす・記憶をたどる
TOP > 人物表現 > 記憶 > フラッシュバック・走馬灯のように蘇る記憶
三島署に在籍していた重藤が応援要員として張り込んだのは、まさにこの日本坂パーキング・エリアだった。捜査記録に目を落としたまま、その紙面がにわかに 眩い 光芒 を放つような錯覚を重藤は覚えた。身の回りの光景までが一変し、蒸し暑い夜気に包まれてゆくのを感じる。白いポロシャツにベージュのゴルフ・スラックス。一般人を装い、雑踏の中に立ち交じり、周囲に一瞬の抜かりもなく目を配り続けたときの記憶が、脳裏に鮮やかに甦ってくる。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 ページ位置:45% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
思い起こす・記憶をたどる
フラッシュバック・走馬灯のように蘇る記憶
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......て、パーキング・エリア内が、新宿駅の朝のラッシュ並みの混雑状態に達したとき、尾畑小枝子は用意してきたスポーツバッグを指定された場所に置き、その場を立ち去った。 三島署に在籍していた重藤が応援要員として張り込んだのは、まさにこの日本坂パーキング・エリアだった。捜査記録に目を落としたまま、その紙面がにわかに眩い光芒を放つような錯覚を重藤は覚えた。身の回りの光景までが一変し、蒸し暑い夜気に包まれてゆくのを感じる。白いポロシャツにベージュのゴルフ・スラックス。一般人を装い、雑踏の中に立ち交じり、周囲に一瞬の抜かりもなく目を配り続けたときの記憶が、脳裏に鮮やかに甦ってくる。広大なパーキング・エリアを埋め尽くした、日焼けした肌を露出した軽装の人々。街灯に照らされた男や女の喧しい話し声。走り回る子供たちのけたたましい笑い声。喫煙スペー......
単語の意味
光芒(こうぼう)
夜気(やき)
光景(こうけい)
脳裏・脳裡(のうり)
偽装・擬装(ぎそう)
装い(よそおい)
光芒・・・細長い線のように見える光。一筋の光。「芒」は、物の細くとがった先端を意味する字。
夜気・・・1.夜の冷えた空気。
2.夜の静かな雰囲気や気配。
2.夜の静かな雰囲気や気配。
光景・・・1.目に前に広がる景色。そこに見える景色や物事のありさま。景色。様子。
2.日の光。
2.日の光。
脳裏・脳裡・・・頭の中。心の中。 「裏・裡(うら)」は、「内部」「内側」を意味する。
偽装・擬装・・・1.偽(いつ)り装(よそ)うこと。ある事実をおおい隠すための、装いや行動。他人の目をごまかすため、他の物事や状況を装うこと。
2.周囲の風景や他の物とよく似た色や形にして、姿を見分けにくくすること。カムフラージュ。
2.周囲の風景や他の物とよく似た色や形にして、姿を見分けにくくすること。カムフラージュ。
装い・・・1.身なりや外観を整えること。美しく飾ること。目的や雰囲気に応じた飾り付け、身なり、設備などのこと。また、その姿。装飾。装束。よそい。
2.目にしたようす。趣き(おもむき)。風情(ふぜい)。
3.仕度をすること。準備をすること。
2.目にしたようす。趣き(おもむき)。風情(ふぜい)。
3.仕度をすること。準備をすること。
ここに意味を表示
思い起こす・記憶をたどるの表現・描写・類語(記憶のカテゴリ)の一覧 ランダム5
虹色の光の糸を集め、記憶の薄絹を織る
大庭 みな子 / 三匹の蟹 amazon
(回想録を書く)愛した、という強烈な記憶だけが絡まり合い、ほつれ合って、丸まった毛糸玉のようになってしまっているのを丹念にほどいていく
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
回想する度に、雑然と小山になったトランプの中から目当ての一枚を手探りするように、思い出そうとするまさにその光景だけでなく、その周辺的な断片ともしばらく戯れることになった。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
フラッシュバック・走馬灯のように蘇る記憶の表現・描写・類語(記憶のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(初恋を思い出す)彼の心はことあるごとに、二十年前の午後の教室に引き戻された。まるで波打ち際に立って、強い退き波に足をさらわれている人のように。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
このカテゴリを全部見る
「記憶」カテゴリからランダム5
まるで映画の抽象的なシーンのみたいにくりかえしくりかえし僕の頭に浮かんでくる
村上春樹 / ノルウェイの森 amazon
同じカテゴリの表現一覧
記憶 の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ