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布地ごと胸をぽりぽりと搔いた。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:94% 作品を確認(amazon)
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体を掻く
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前後の文章を含んだ引用
......と、柿村は青いストライプの入った木綿のパジャマ姿でわたしを迎えた。パジャマの前部分には、ケチャップとおぼしき赤いしみが点々とついていて、柿村はそのしみの上から、布地ごと胸をぽりぽりと搔いた。 寝不足の顔をし、生涯、ブラシをあてたことなどなさそうな、もじゃもじゃした髪の毛が、いっそう絡まり合い、こんがらがった汚い糸のようになってはいたが、彼は元気そう......
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胸(むね)
・・・1.体の前面で、首と腹との間の部分。また、その内側にある心臓や肺臓、胃などの内臓。
2.(胸に宿るとされている、)心。想い。心中。
3.乳房(ちぶさ)。おっぱい。
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