(天井がガラス張りの室内プール)ここはとても温かい。何か巨大な動物の体内に飲み込まれたようだ、といつも思う。しばらく坐っていると、髪やまつげや制服のブラウスが、ここの温かさを吸い込んでしっとり潤んでくるのがわかる。汗よりもサラサラとして、ほんの少しクレゾールのにおいのする湿り気がわたしを包む。
小川洋子 / ダイヴィング・プール「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 ページ位置:0% 作品を確認(amazon)
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ダイヴィング・プール ここはとても温かい。何か巨大な動物の体内に飲み込まれたようだ、といつも思う。しばらく坐っていると、髪やまつげや制服のブラウスが、ここの温かさを吸い込んでしっとり潤んでくるのがわかる。汗よりもサラサラとして、ほんの少しクレゾールのにおいのする湿り気がわたしを包む。 足元のずっと下の方には淡いブルーの水面が揺れている。底までのぞこうとしても、絶え間なくわき出してくる小さな泡に邪魔される。天井はガラス張りでとても高い。階段状の観覧席の真中あたりに、わたしは引っ掛かるようにして坐っている。 純が十メートルの飛び込み台の上を歩いている。水着は、きのう純の部屋の窓......
単語の意味
暫く・姑く・須臾(しばらく)
暫く・姑く・須臾・・・1.長いと感じるほどではないが、すぐともいえないほどの時間。ちょっとの間。一時的。
2.ちょっと待った!
2.ちょっと待った!
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ぬるい空気の中、疲れてプールサイドに坐っていた。 人々は禁欲的に泳いでいる。高い天井の下、水しぶきをあげて。
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ひしめくような人だかり。銭湯のような繁昌ぶり
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