空気はひやりとして、右側に趨 っている瀬川の音が急に音を高めて来る。
岡本かの子 / 東海道五十三次 ページ位置:41% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
山道・峠道
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......時代とは絶縁された峠の旧道である。左右から木立の茂った山の崖裾の間をくねって通って行く道は、ときどき梢の葉の密閉を受け、行手が小暗くなる。そういうところへ来ると空気はひやりとして、右側に趨 っている瀬川の音が急に音を高めて来る。何とも知れない鳥の声が、瀬戸物の破片を擦り合すような鋭い叫声を立てている。 私は芝居で見る黙阿弥 作の「蔦紅葉宇都谷峠 」のあの文弥殺しの場面を憶い起して、婚約中の......
ここに意味を表示
山道・峠道の表現・描写・類語(道・道路のカテゴリ)の一覧 ランダム5
梶井基次郎 / 雪後
北山の峰々にすっぽり抱きこまれたかのような山道
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「道・道路」カテゴリからランダム5
僕は庭のブロック屛をのりこえて「路地」に下りた。 「路地」とは言っても、それは本来的な意味での路地ではない。正直なところ、それは 何とも 呼びようのない代物なのだ。正確に言えば道ですらない。道というのは入口と出口があって、そこを辿っていけば然るべき場所に行きつける通路のことだ。 しかし「路地」には入口も出口もなく、それを辿ったところでブロック屛か鉄条網にぶつかるだけのことだ。それは袋小路でさえない。少くとも袋小路には入口というものがあるからだ。近所の人々はその小径をただ便宜的に「路地」と呼んでいるだけの話なのだ。
村上春樹 / ねじまき鳥と火曜日の女たち「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
多摩川の堤防に沿って粗いアスファルトの道が続き
阿刀田高 / ミッドナイト物語 amazon
同じカテゴリの表現一覧
道・道路 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ