白い天井に黒い蠅が一匹とまっていた。
松本 清張 / 与えられた生「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 ページ位置:35% 作品を確認(amazon)
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天井
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前後の文章を含んだ引用
......ち硬かった。 院長は彼を部屋の壁ぎわにある黒革張りの寝台に寝せ、自分が手術した彼の腹の上を掌で軽く押えたりした。桑木の真上にある院長の顔は一層不機嫌そうだった。白い天井に黒い蠅が一匹とまっていた。 桑木は、大小何本ものアンプルから太い注射器に液体を吸いあげている看護婦の手もとを見ていた。院長がうしろむきに机で桑木のカルテを見たり、部厚い本を出して読んだり......
単語の意味
蠅・蝿(はえ)
蠅・蝿・・・ハエ目ハエ亜目ハエ下目に属する昆虫の総称。羽は二枚で触角は太くて短い。食べ物などにたかり、伝染病を媒介する。長い口先を使って液体などを舐める。幼虫はいわゆる「うじ」。不快なもの、五月蝿(うるさ)いものの代名詞にも使われる。
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古びた天井が低くかぶさるよう
宮本百合子 / 伸子
白い天井に黒い蠅が一匹とまっていた。
松本 清張 / 与えられた生「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
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重い扉を未練気もなくピッタリと閉めた。
夢野久作 / ドグラ・マグラ
美しい幽雅な庭
林芙美子 / 新版 放浪記
縁側に立ったまま、明るい初夏の日差しのさしこむ我が家の狭い庭を眺めてみた。眺めたからといって心がなごむような庭ではない。一日のうちほんの少しの時間しか日が差さないから土はいつも黒く湿っているし、植木といっても隅の方に二株か三株ぱっとしないアジサイがあるだけだ。
村上春樹 / ねじまき鳥と火曜日の女たち「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
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