上品な甘さが後を引く

和菓子は五感の総合芸術。美しい情景を思い起こさせる姿（視覚）。趣深い優雅な銘菓の響き（聴覚）。和菓子に包まれたほのかな香り（嗅覚）。口に含めば広がるまろやかな美味しさ（味覚）。楊枝で切るときの感触や舌触り（触覚）。五つの繊細な感覚が重なり合って、小さな和菓子に大きな広がりが生まれる。

お茶との相性が考えられた柔らかな甘み

上品な甘さが後を引く

餡はあっさりとした上品な甘味で、そばの風味を引き立たせる

独特の心地いい苦みがふんわりと舌に残ってそれがいい

大福１個の大きさ、餅の柔らかさ、餡の甘さ イチゴの新鮮さ、全てが完璧

（これが羊かんなら、いままで、おれが食べていた羊かんは、うどん粉のかたまりみたいなものだ） 　と、おもった。

前歯でガリリッとかんで、舌の上へ運ぶまでに、めためたになってしまふやうでは駄目なのである。舌の上でぴりッと醤油の味がして、焼いたかうばしさがそれに加はつて、しばらくしてゐる中に、その醤油がだんだんにあまくなる。そして噛んでゐる間にすべてがとけて舌の上にはたゞ甘味だけが残るやうでなくてはいけない。

昔ながらの正統派。日本人なら誰もが、団子とはこうあってほしい、と思う花見団子。