新星のような美魚は多くのはした金魚を随 えながら、悠揚と胸を張り、その豊麗な豪華な尾鰭を陽の光に輝かせながら撩乱として遊弋している。
岡本かの子 / 金魚撩乱 ページ位置:100% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
金魚
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......復一に真向った。 「ああ、真佐子にも、神魚華鬘之図にも似てない……それよりも……それよりも……もっと美しい金魚だ、金魚だ」 失望か、否、それ以上の喜びか、感極まった復一の体は池の畔の泥濘 のなかにへたへたとへたばった。復一がいつまでもそのまま肩で息を吐き、眼を瞑っている前の水面に、今復一によって見出された新星のような美魚は多くのはした金魚を随 えながら、悠揚と胸を張り、その豊麗な豪華な尾鰭を陽の光に輝かせながら撩乱として遊弋している。
(昭和十二年十月)
単語の意味
悠揚(ゆうよう)
豊麗(ほうれい)
遊弋(ゆうよく)
胸(むね)
悠揚・・・ゆったりと落ち着いているさま。慌しくなく、ゆとりがあるさま。
豊麗・・・肉付きがよくて美しいこと。また、そのさま。
遊弋・・・艦船が水の上の警戒のために動き回ること。うろうろと動き回ること。
ここに意味を表示
金魚の表現・描写・類語(水中の生き物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
和金の清洒 な顔付きと背肉の盛り上りを持ち胸と腹は琉金の豊饒 の感じを保っている。
岡本かの子 / 金魚撩乱
窓の色硝子の光線をうけて鉢の金魚は鱗を七彩に閃めかしながら泳いでいる。
岡本かの子 / 東海道五十三次
(金魚は)池の面が散り紅葉で盛り上るように殖 えて
岡本かの子 / 金魚撩乱
このカテゴリを全部見る
「水中の生き物」カテゴリからランダム5
ころころころころと啼(な)く蛙の声
徳田 秋声 / あらくれ amazon
飛魚(とびうお)の群れが銀色に光りながら波間をはねる
遠藤 周作 / 沈黙 amazon
食用蛙が牛の遠吠えみたいに啼く
田辺 聖子 / 休暇は終った amazon
同じカテゴリの表現一覧
水中の生き物 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ