吐息が聞こえるほど静か
池井戸 潤「民王 (文春文庫)」に収録 ページ位置:55% 作品を確認(amazon)
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室内(空間)が静か
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前後の文章を含んだ引用
......アの前で立ち止まったエリカは、ハンドバッグから取り出した鍵でドアを開け、泰山を中へ招き入れる。豪華な、大理石の玄関ホールだった。家の中はひっそりとして、ふたりの吐息が聞こえるほど静かだ。 その静寂が泰山の欲望を燃え上がらせ、どくどくと全身の血が滾るのを感じた。 長く途絶え、忘れかけていた回春の疼きというヤツだ。 若いっていいなあ。しみじみと......
単語の意味
吐息(といき)
吐息・・・落胆したり、緊張がゆるんだりしたときに思わず吐く、大きな息。ため息。
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朝の誰もいない広々とした食堂の中は恐ろしく深閑としていて
林芙美子 / 新版 放浪記
診察室に入ると耳の奥がじんと震えるみたいに静かで、カルテをめくる音とか、ピンセットで清浄綿をつまむ音とか、ケースから注射器を取り出す音とか、そんなささやかな音しか聞こえないわ。
小川 洋子「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
しんとした気配はなんのバリアもない僕に容易にまとわりつき、浸透してゆく。
綿矢 りさ / 自然に、とてもスムーズに「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 amazon
テレビの音声がはっきり聞き取れるほど静か
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
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元気なおばさんの声が、グラデーションで沈んでくる
荻野 アンナ / 背負い水 amazon
外よりも、そこは一層に沈黙が深かった。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
私は哲生のたてる物音を子守歌のように頼もしく感じて眠りについた。
吉本 ばなな / 哀しい予感 amazon
全身に声がぎりぎりと銹(さ)びた錐(きり)のように刺し込んでくる
有吉 佐和子 / 三婆(水と宝石) amazon
聞かれたくないことばかりにピンと反応するアンテナの感度といったら、スパイ衛星並みの耳
宮部 みゆき / 我らが隣人の犯罪 amazon
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