漆黒の空に錐で穴をあけたようなやけに鮮明な月が、私たちを見下ろしていた。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 ページ位置:21% 作品を確認(amazon)
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月
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前後の文章を含んだ引用
......た。伊吹は赤い舌が閉じ込められた唇をすぼめて、不思議そうにこちらを見上げ、「怖いこと言うなあ、谷沢」と、高い声で呟くと、怪談でも聞いたみたいに、ぶるっと震えた。漆黒の空に錐で穴をあけたようなやけに鮮明な月が、私たちを見下ろしていた。 冬休みが終わり、私のクラスには十人の転校生が入ってきた。 ニュータウンでは、一学期も二学期も三学期も、長い休暇が終わると各クラスにこれくらいの人数の転校生が入......
単語の意味
漆黒(しっこく)
漆黒・・・漆を塗ったように光沢のある黒色。濃くて深い黒色。
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月の表現・描写・類語(空・中空のカテゴリ)の一覧 ランダム5
日の丸のように大きな月
林 芙美子 / 耳輪のついた馬「風琴と魚の町/清貧の書 (新潮文庫 は 1-4)」に収録 amazon
酸漿(ほおずき)のように赤ばんだ月
稲垣 足穂 / 弥勒 amazon
(明るい空にくっきり浮かぶ白い半月)まるで使い古された軽石みたいに見えた。誰かが空に放り投げ、それが何らかの理由でそのまま留まったのだ。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
白い月が賢いみなしごのように寡黙に空に浮かんでいた。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
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「空・中空」カテゴリからランダム5
人間が生み出した物の中では傑出した壮大さと美しさを持つ花火
又吉 直樹 / 火花 amazon
澄みきった空が、生絹(すずし)のようなちぎれ雲を高く浮かべる
落合 恵子 / センチメンタル・シティ amazon
ほのかな光に海面をぬいて眉を逆さにしたような繊月の浮かぶのが見えた。
円地 文子 / 女坂 amazon
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