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断片的な記憶が、ちょうど沼水の底から 沼気 のぷかりぷかりと浮んで来るように浮んで来た。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:24% 作品を確認(amazon)
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フラッシュバック・走馬灯のように蘇る記憶
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......に探し廻った事、その葬式が伝通院であった時に、撞木で叩く小さい釣鐘の響きに震え上った事、それを叩いている坊主を、無慈悲な奴だと腹から憎らしく思った事等、こういう断片的な記憶が、ちょうど沼水の底から沼気のぷかりぷかりと浮んで来るように浮んで来た。そしてそれらは、何れも毒にも薬にもならないようなものが多かったが、ただ一つ、未だ茗荷谷に居た頃に、母と一緒に寝ていて、母のよく寝入ったのを幸い、床の中に深くもぐ......
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フラッシュバック・走馬灯のように蘇る記憶の表現・描写・類語(記憶のカテゴリ)の一覧 ランダム5
それは『マッチ売りの少女』がマッチに火を灯す音のように、ボクの記憶の底に残る思い出に火を灯し、埋み火のように燻っていたポール師匠との思い出を一瞬にして鮮明に燃え上がらせた。
水道橋博士「藝人春秋 (文春文庫)」に収録 amazon
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(大した思い出ではない)長原のことは意識の中にあった。けれどもそれは、記憶の沼の上にちゃぷちゃぷと湧く泡のようなものだ。眉を寄せて集中すれば泡は大きくなる。けれども思いをときはなってみれば、いつのまにか底の方へ沈んでしまう。その程度のものだ。
林 真理子 / 最終便に間に合えば amazon
津波のような思い出にあえぎ苦しむ
本庄 陸男 / 石狩川〈上〉 amazon
「思い出っていうやつは、どんな時も哀れなもんだ。時間がたてばたつほど、美化されるから、余計、始末に負えない。たとえ、キスしながらニンニクくさいゲップをしてくるようなやつだったとしても、そいつは思い出の中では、屁もこかない王子様になるのさ」
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
その情景は、漁夫達の胸を、眼 のあたり見ていられない凄 さで、えぐり刻んだ。
小林多喜二 / 蟹工船
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