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すみれの裸体は、浜辺の圧倒的な日差しの下で目にしているときとはまったく違ったものに見えた。居心地悪く残された子供っぽい部分と、時の流れが盲目的にこじ開けた一連のま新しい成熟とが渦のように混じりあい、生命の 疼きをそこに描き出していた。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 ページ位置:52% 作品を確認(amazon)
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裸体・ヌード
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前後の文章を含んだ引用
......。乳房は小さかったがかたちは整っていて、しっかりとした一対の乳首がそこにある。黒い陰毛が汗で濡れて、朝露を受けた草のように光っている。月の明かりの下で力を失ったすみれの裸体は、浜辺の圧倒的な日差しの下で目にしているときとはまったく違ったものに見えた。居心地悪く残された子供っぽい部分と、時の流れが盲目的にこじ開けた一連のま新しい成熟とが渦のように混じりあい、生命の疼きをそこに描き出していた。 ミュウは見てはいけない他人の秘密をのぞき見ているような気がした。できるだけその肌から目をそらし、子供の頃に暗譜したバッハの小曲を頭の中でたどりながら、タオルを......
単語の意味
圧倒(あっとう)
圧倒的(あっとうてき)
日差し・陽射し(ひざし)
裸体(らしん)
圧倒・・・ひときわ優れた力を持っていること。他よりとても勝っていること。また、その力で相手を押さえつけること。
圧倒的・・・他とは比べ物にならないほど優れていること。
日差し・陽射し・・・大陽の光。日光。太陽が照りつけること。
裸体・・・服を着ていない、裸(はだか)のからだ。裸身(らしん)。
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やわらかな月の光に照らされた直子の体はまだ生まれおちて間のない新しい肉体のようにつややかで痛々しかった。彼女が少し体を動かすと――それはほんの僅かな動きなのに――月の光のあたる部分が微妙に移動し、体を染める影のかたちが変わった。丸く盛りあがった乳房や、小さな乳首や、へそのくぼみや、腰骨や陰毛のつくりだす粒子の粗い陰はまるで静かな湖面をうつろう水紋のようにそのかたちを変えていった。
村上 春樹 / ノルウェイの森 上 amazon
人間として着物をつけないのは象の鼻なきがごとく、学校の生徒なきがごとく、兵隊の勇気なきがごとく全くその本体を失 している。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
(若々しい肉体は)割られた果実のように新鮮に感じられた。
横光 利一 / ナポレオンと田虫 amazon
(幼女の裸)睦子の身体の隅々まで洗った。なにもかもが 汚れのない細やかさだった。肌の輝きを私は讃歎した。性欲のようなものは洗い流されてしまう気がした。
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 amazon
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「体つき・体型・体全体の様子」カテゴリからランダム5
その肥満した体にちょうど調和した重々しい調子(の声)
野間宏 / 第三十六号「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
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