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(老人の体)身体は、老人であることを差し引いても、か細くひ弱だった。お腹や太股や二の腕の肉はたるみ、だらしない皺が寄り、身体中どこに触れても青白い皮膚が窪むだけで、弾力がなかった。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:53% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
......さえあり、深い夢の世界をさ迷っているようだった。氷を取り替える時も、汗を拭いている時も、一度も目を覚まさず、従順に身を任せていた。 メモ付きの背広から解放された身体は、老人であることを差し引いても、か細くひ弱だった。お腹や太股や二の腕の肉はたるみ、だらしない皺が寄り、身体中どこに触れても青白い皮膚が窪むだけで、弾力がなかった。爪の先にでも、秘められた生命力のようなものを感じ取れないかと目を凝らしたが無駄だった。私はいつか博士が教えてくれた、難しい名前の数論学者の言葉を思い出した。『神......
単語の意味
身体(しんたい)
腹(はら)
太股・太腿・太もも(ふともも)
身体・・・人のからだ。肉体。
・・・1.ヒトなど動物の、胴の下半部の前面と考えられる側。背(せ)の反対側の部分。また、その内側にある内蔵。
2.(腹の内面にあるものとして)心。考え。感情。気持ち。また、度量や度胸、気力もいう。
3.物の中央の膨らんだ部分。「指の腹」「銚子の腹」など。
4.背に対して、物の内側の部分。
太股・太腿・太もも・・・足の、膝(ひざ)より上の太い部分。股の内側の膨らんだところ。足の付け根から膝までの部分。大腿(だいたい)。上腿(じょうたい)。
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岡本かの子 / 東海道五十三次
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