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コンクリートの壁に走ったひびは「どうせそのうちにそっくりとり壊されるのだから、とくに気にしないでもらいたい」と言葉少なに訴えかけているように見えた。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 ページ位置:85% 作品を確認(amazon)
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粗末な建物
ぼろい・使い古された
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......尋ねると、保安室はここではなく、通りを隔てた別棟の三階にあると言われた。教えられた別棟は見栄えのしない小さな三階建てのビルで、そこにはエレベーターすらなかった。コンクリートの壁に走ったひびは「どうせそのうちにそっくりとり壊されるのだから、とくに気にしないでもらいたい」と言葉少なに訴えかけているように見えた。ぼくはすり減った狭い階段を上り、保安室という表札のかかったドアを小さくノックした。太い男の声で返事があり、ドアを開けると、中に彼女とその息子の姿が見えた。二人は......
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押しつぶされたような家々の塊
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
青い雑草が壁の破れからつき出ている共同便所
野間 宏 / 崩解感覚「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
かなり古い家らしく壁は剥 げ落ち、柱は虫に食われ、ほとんど修理の仕様も無いほどの茅屋
太宰治 / 人間失格
土壁のないバラックで、昔は物置であったのかもしれない。
林芙美子 / 新版 放浪記
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家はくたびれていた。 鉄平石の門もモルタルの壁も、白く 粉 を吹いていた。能筆が自慢の重役が贈ってくれた大きな表札は、雨風に 晒されささくれて、履き古しの下駄に見えた。
向田邦子 / はめ殺し窓「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
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