TVを消して彼は出ていく。突然室内は静寂に包まれる。
吉本 ばなな / キムチの夢「とかげ (新潮文庫)」に収録 ページ位置:26% 作品を確認(amazon)
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室内(空間)が静か
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前後の文章を含んだ引用
......ない。 結婚して2年になる。会社は去年やめた。子供はまだいない。2人で買ったマンションに住んでいる。猫を飼っている。「遅くなるようなら電話する。」 と言って朝、TVを消して彼は出ていく。突然室内は静寂に包まれる。彼は朝食を摂らないので私はたいていまだベッドに入っている。いってらっしゃいの言葉もほとんど発さず、寝室から寝ぼけて見送る。玄関のドアが閉まる音がすると、かすかな......
単語の意味
静寂(せいじゃく)
静寂・・・物音一つなく静まり返っていること。ひっそりとして寂しさのあること。また。そのさま。「寂」は訓読みで「しず(か)」とも読める。
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しんとした部屋で波と風の音を聞いていると、孤独を痛いように覚える
加賀 乙彦 / 海霧 amazon
しんとした気配はなんのバリアもない僕に容易にまとわりつき、浸透してゆく。
綿矢 りさ / 自然に、とてもスムーズに「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 amazon
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芥川 龍之介 / 邪宗門 (1977年) amazon
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柔らかい雑多な音を出すのが弱い神経にほどよい快感をあたえる
中勘助 / 銀の匙 amazon
尖った小さな耳はすべての音を聞きとりたいという清らかな望みに澄まされていた……。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
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