ひさしぶりに隆大の愛に触れて、さわるだけで飛び上がりそうなほど孤独と悲しみで敏感になった皮膚が、あたたかい膜で包まれた。
綿矢 りさ / かわいそうだね?「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 ページ位置:24% 作品を確認(amazon)
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優しい愛情を感じる(包まれる)
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......電話には出て。私を無視しないで。あなたと連絡が取れなくなるのが一番つらいの」「わかった、ごめん。好きだよ、樹理恵」 携帯に向かって、うんうんと無言でうなずいた。ひさしぶりに隆大の愛に触れて、さわるだけで飛び上がりそうなほど孤独と悲しみで敏感になった皮膚が、あたたかい膜で包まれた。「涙……拭かなくちゃ」 一時間の休憩が終わろうとしている。透明のバッグに入れたポーチを取り出してティッシュを探したけれど、無くて、ハンカチも見つからなかったから......
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優しい愛情を感じる(包まれる)の表現・描写・類語(好きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
姉さんは愛情という名前のクモの糸をはりめぐらして、しだいに僕を追い込み、思う通りにする。
よしもとばなな / 姉さんと僕「まぼろしハワイ」に収録 amazon
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とどきますか、とどきません。光りかがやく手に入らないものばかり見つめているせいで、すでに手に入れたものたちは足元に転がるたくさんの屍になってライトさえ当たらず、私に踏まれてかかとの形にへこんでいるのです。とどきそうにない遠くのお星さまに向かって手を伸ばす、このよくばりな人間の性が人類を進化させてきたのなら、やはり人である以上、生きている間はつねに欲しがるべきなのかもしれない。みんなの欲しがる気持ちが競争を生み、切磋琢磨でより質の高いものが生みだされていくのですね。でも疲れたな。まず首が疲れた。だってずっと上向いてるし。いつからだろう、さらなる飛躍という言葉が階段を駆けのぼるイメージではなくなり、遠くで輝くものを飛び上がってつかみ取り、すぐに飽きてまるきり価値のないものとして暗い足元へ放る、そしてまた遠くへ向かって手を伸ばす、そのくり返しのイメージに変わってきたのは。
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
脂切った精気でかがやくように見える顔
藤沢 周平 / 三屋清左衛門残日録 amazon
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